最近話題のノーコードに関する本 "ノーコードシフト"に関して
最近出社が多くなってしまったので、電車乗車中に本を読むことが多くなりました。
今回は、
”プログラミングを使わない開発へ ノーコードシフト”
を読んだのでその備忘録として概要をまとめておこうと思います。
ノーコードシフト プログラミングを使わない開発へ【電子書籍】[ 安藤昭太 ] 価格:1,760円 |
ノーコードが最近何かと耳にしていて自分でもbubbleを使ってみたりしたのですが、
企業に導入・適用した時の、
・メリット・デメリット
・活用方法・事例
を知りたくて基礎学習として読んでみることにしました。
bubble使ってみればわかるかな?と思ったのですが、、、
便利だな。ぐらいしか感じず具体的な活用をイメージできなかったのですよね。。浅はかでした。。
bubble.io
- ■ノーコードとは
- ■ノーコードのメリット
- ■ノーコードのデメリット
- ■ノーコードを導入・活用するための5つのステップ
- ■ノーコードの種類
- ■ノーコードでエンジニアがいらなくなるのか?
- ■最後に
- ■参考
■ノーコードとは
一旦おさらいとしてノーコードに関する特徴をまとめていきたいと思います。
ノーコードとは、コーディングせずにアプリやWebサイトを作成・開発を行うことです。
通常アプリやWebサイトの作成・開発にはプログラミングをする必要がありました。
一方、ノーコードではGUI操作やクリック、ドラッグアンドドロップ等の簡単な操作でアプリやWebサイトの作成が行えます。
ノーコードはプログラミングのような特別な知識・技術が不要です。
このため、非エンジニアやプログラミングが行えない、苦手な方でも容易に開発が行えるようになります。
ノーコードという名前は2019年頃命名されたとのことですが、その仕組みやツールは1990年代から存在していたようです。
今ノーコードが爆発的にブームになっている要因として、本書では下記6点を挙げています。
・クラウド技術の一般化
・SaaS利活用の浸透
・APIエコシステムの進展
・社会の複雑化によるニッチサービス需要
・IT人材不足
・コミュニティの強い後押し
確かに今までのアプリやWebサイトの開発では多くの時間や工数を費やすが故に開発費が膨大になるため、
大きな需要のある内容にのみ対応してきました。
しかし近年は社会が複雑に絡み合い顧客が要求する要望・欲求が細分化されニッチ化してきました。
従来のアプリ・Webサイトの作成では採算が合わなくなるため、簡単・低コストで作成できるノーコードに注目が集まるのも当たり前ですね。
■ノーコードのメリット
本には下記が挙げられておりました。
・早いスピード
・柔軟性
・学習コストが低い
・社内人材を活用できる
・精神的負担の軽減
ノーコードは特別な技術・経験が必要なく、簡単にアプリ・Webサイトの構築が可能になっているので、
短期間・低コストでサクッと自分・自社で開発が行えるようになっております。
自分・自社で、というところがミソです。
一般的にシステム開発では一部もしくは全体を外部委託で開発していくことが一般的です。
こちらの外部委託で行う場合、委託先に意図や目的、設計内容を事細かに伝える必要があり時間がかかります。
さらに、委託先の開発者に伝えるまでに多くの組織・担当者が挟まる可能性もあり、伝言ゲーム状態になります。
なので、意図や目的、設計内容を事細かに伝えたとしてもできたものが、"思っていたのと違う"といった状態にもなりえます。
自分・自社で行えるのであれば上記のような面倒な作業や伝言ゲームを行うことなく動くものが作れてしまうので、ストレスが減りますね。
柔軟性ですが、低コスト・短期間で作成できるが故に何時でも機能追加・機能修正が行えることにあります。
また、APIによりデータ連携も簡単に行えることも顧客の要望に柔軟に対応できることの要因になっています。
もしプログラミングによる開発を行う場合には先ほど記載した通り開発費が膨大に発生するのでおいそれと機能変更・追加が行えませんので、柔軟性がありません。
ノーコードは従来の開発方法から考えると柔軟性はメリットですね。
最後に精神的負担の軽減に関してです。
給与記録などを例に挙げますと、数値を入力していく作業になるにも関わらず誤ってしまうと個人の給与にかかわってしまうので間違うことが許されません。
ノーコードで仕組みを作り人の手を介さないようにすることでミスがなくせるので精神的な負担が軽減される、ということです。
どれも確かにメリットにあたるかと思います。
特に、早いスピード、柔軟性はかなり大きなメリットにあたるかな?と思いました。
変化のスピードが速い現代において、より迅速に顧客にサービス・価値を提供することは重要な要素になっていると感じているためです。
■ノーコードのデメリット
メリットばかりのノーコードですが、デメリットもあります。
本書では下記が挙げられています。
・出来ることが決まっている
・サービス停止のリスク
・セキュリティ
ここで、”出来ることが決まっている”とメリットで挙げた柔軟性が矛盾しているように見えます。
メリットで挙げた通り、簡単に追加・修正したい機能をサクッと修正できます。
マウス操作などでポチっとすれば変えられるので。
しかしそれは、ノーコードツール側が対応していれば。の話になります。
ノーコードツールが提供されていなければ、ノーコード上で機能追加が行えないのでどうしても出来ることが決まってしまう。ということです。
しかし、最近のノーコードはAPIが用意されており、ノーコード間をつなぎ合わせることも出来るようなので、、、
ノーコードツール1つでは限界がある。ということですね。
ノーコードツールを組み合わせると、組み合わせた分だけノーコードツールの使い方を学習しなければならないため難易度は上がります。
まぁ、プログラミングで開発するよりは断然難易度は低いですが。
■ノーコードを導入・活用するための5つのステップ
企業でノーコードツールを導入・活用するためにどのようなステップで行えばよいのか?を、
業務用途・新規事業用途で分けて記載されております。
業務用途の場合、
①業務範囲を明確にする
②要件を明確にする
③ツールを選定する
④ロードマップを作る
⑤運用体制を作る
新規事業用途の場合、
①仮説を明確にする
②検証したい内容を明確にする
③成功する閾値を明確にする
④ツールを選定
⑤運用体制を作る
こう見ると、大まかにはどちらも同じですね。
・達成したい、解決したい事柄を明確化
・要件を整理する
・ツールを選定し、
・運用体制を作成
ですからね。
活用に関して、業務内容とは別に、誰が使うのかを、
・個人
・フリーランス
・起業家、スタートアップ
・中小企業
・大企業
で分けて記載されております。
それぞれ、シチュエーションや使用者の状況を考慮した上で分かりやすく記載されております。
■ノーコードの種類
ノーコードの種類として大きく3つに分かれております。
・Webデザイン系
・データ管理/顧客情報管理系
・タスク自動化ツール系
です。
【Webデザイン系】
簡単に言えばWebサイトですね。
そのほかにもライティングページも作成が行るようです。
【データ管理/顧客情報管理系】
データベースでの顧客情報や商品情報の管理にあたります。
単なる情報管理データベースだけでなく、タスク管理や履歴管理も行えるツールもあるようです。
【タスク自動化ツール系】
読んで字のごとくです。
例えば先ほど記載した給与自動入力サービスがこちらにあたります。
タスク自動化ツールとRPAで何が違うのか、に関しても合わせてまとめられております。
■ノーコードでエンジニアがいらなくなるのか?
ここまで進化したノーコードですので、もうエンジニアが必要なくなるのではないか?と疑問になるかもしれません。
ノーコードはプログラミングの進化の過程
とのことです。
今後は
・簡単なサービスやシステムはノーコードにて対応
・仕様や要求が複雑なシステムや技術的に達成困難なシステムはエンジニアが対応
となっていくようです。
エンジニア不足と言われている昨今ですが、日々進化していかないとノーコードにとって代わられてしまうということですね。
■最後に
本を読んでいてノーコードを体系的に学べたのはよかったと感じております。
また、後半には各社ノーコードツールの特徴やノーコードツールを活用した事例が載っております。
個人的に驚いたのはIoTに関するノーコードツールがあったことです。
企業よりIoT機器の貸し出しがあり、本機器とノーコードツールを組み合わせてIoTサービスが開発できるようになるみたいです。